文書作成日:2018/07/20


 共有の土地を分筆した場合、分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合に等しくないと贈与税課税が生じます。




 兄弟2人で共有(持分2分の1ずつ)している土地があります。お互い高齢で、相続の際、共有の土地について、相続人の間でもめ事が起こらないか心配です。そのため、共有関係を解消しようと話をしています。
 所有している土地は400uで、北側と南側の道路に接しています。そのため、北側と南側で分筆ができそうです。北側の道路は商店街に面した道路で、南側の道路は住宅地に面しています。土地を分筆する時の手続きや税金が気になります。




 分筆のためには、まず境界を確定させて測量をします。その上で分けますが、分け方によって税金が発生する場合がありますし、将来の売却にも留意する必要があります。




 土地を分筆するためには、まずは土地家屋調査士へ確定測量を依頼することが必要です。確定測量とは、測量をして面積を求めるのと同時に、隣接地の土地所有者が立ち合いを行い、境界を確定させることをいいます。隣接地は、民有地(民民査定)だけでなく、公道や水路、公園などの公有地(官民査定)を含みますので、所有している土地の権利関係や面積がすべて確定します。分筆は、確定測量後に行います。

 個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があった時に、分割されたそれぞれの土地の面積の比と共有持分比とが異なっていても、その分割後のそれぞれの土地の価額の比が共有持分の割合におおむね等しければ、その分割はその共有持分に応ずる現物分割に該当するとされています(所得税基本通達33-1の6(注)2)。よって、面積を基準に(同面積で)分筆した場合、その分筆した土地評価額に差が生じると、価値の低い方から高い方への贈与と認定されることになるので、注意が必要です。
 事業的規模の判断は、原則的に社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているか否かによって、実質的に判断します。建物の貸付については、所得税法関連規定において、一定の基準に該当すれば、事業として行われているものとするとされており、これに準ずるものと考えられます。

 このように、分筆の仕方によって、税金が発生する場合がありますので注意が必要です。ただし、気を付けるべきことは、税金ばかりではありません。税金ばかり気にして分筆すると土地の市場価格を下げる結果となる場合があります。例えば、間口の狭い土地や建ぺい率の制限が厳しい地域の土地では、分筆することにより建物プランが限定されるなどの弊害が起こり、市場価格を著しく低下させることもあります。こうした土地の場合は、売却なども視野に入れるべきです。共有地を分筆するためには専門家への相談が必要不可欠です。まずは、土地家屋調査士、税理士、宅地建物取引士、司法書士などの各専門家へ相談されることをお勧めします。


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